2026-09-16
台風のあとすぐ行けない空き家|滋賀の被害確認と濡れた家財の片付け
台風が滋賀県を通ったあと、大雪で屋根に雪が積もったあと。誰も住んでいない実家のことが頭に浮かんでも、仕事や家庭の都合で、すぐに車を出せるとは限りません。「屋根が飛んでいないだろうか」「雨が入っていないだろうか」と気になったまま、次の週末まで何日も空いてしまう——遠方に住む所有者の方から、実際によくうかがう状況です。
結論から言うと、すぐに行けなくてもできることがあり、着いてからは「安全 → 建物 → 家財」の順に見るのが早いです。そして家財については、乾かす前にカビとの競争が始まります。濡れた物を全部いっぺんに助けることはできないので、先に動かす物の順番を決めてから手をつけると、失わずに済む物が増えます。ただしこれは、雨漏りや雨水で濡れた物の話です。河川の水・下水・泥水など、何の水か分からない浸水で濡れた紙・布・木の物は別扱いで、濡れていない部屋へ持ち込まず、厚手の手袋とマスクを着けたうえで、空き家のある市町の案内や災害復旧の専門業者に扱いを確認してから動かします。なお、家財が相続財産にあたる場合は、傷むのを防ぐために移すときも記録と共有が要り、売る・手放すのは相続人全員の同意を得てから(相続放棄を検討している方がいる場合は、専門家に相談して相続の方針が決まってから)になります。
この記事では、行けない間にできる確認、着いてから見る順番、そして濡れた・傷んだ家財を動かす優先順位を、片付けの側からまとめます。建物の修繕や保険の手続きは工務店・保険会社の領域なので、ここでは触れません。天気に関わらず定期的に見る場所については、空き家の管理を自分でする|帰省ごとに見る場所チェックリストで別に説明しています。
📷 【濡れてしまった物、捨てる前に1枚】 「これはもうだめか、まだ見てもらえるか」で迷ったら、乾かす前・動かす前の状態で写真を1枚。LINEからお送りいただけます。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
すぐに行けない間にできること
現地に立てなくても、次の3つは離れたところから進められます。
- 市町の発表を見る——お住まいの市町ではなく、空き家のある市町の防災情報・災害廃棄物の案内を確認します。停電や断水の範囲、道路の通行止めが分かると、行ける日の見当がつきます
- 近くの方に様子を伺えるか考える——ご近所や親族に無理のない範囲で外観だけ見ていただけると、急ぐ状況かどうかが分かります。お願いできる方がいるなら、屋根・窓・雨どい・敷地内の飛散物を写真に撮ってもらえると判断しやすくなります
- 行く日の装備を決めておく——軍手ではなく厚手の手袋、底の厚い靴、マスク、懐中電灯、ブルーシート、ごみ袋。現地で買えないことがあるので、出発前に積んでおくと困りません
**無理に急いで向かわないでください。**台風の直後は道路や斜面の状態が落ち着いていないことがあります。建物が傾いている、外から見て明らかに壊れているといった場合は、中に入らず、市町の窓口や専門業者にご相談ください。
なお、「行けないうちに傷みが進む」ことを心配しすぎなくて大丈夫な物もあります。陶磁器やガラス、石の物は、数日水に触れた程度では評価が大きく変わらないことが多くあります。急いで判断が要るのは、次に挙げる水に弱い物と、錆びやすい金属の道具や、エンジンのある農機具・機械です。金属の物は、見た目が乾く前から錆が進みます。
着いたら「安全 → 建物 → 家財」の順に見る
現地に着くと、散らかった室内が目に入って、つい片付けから始めたくなります。ですが順番を逆にすると危険なうえ、あとで必要になる記録が残りません。
1. 安全(入る前・入った直後)
- 電気は「触らない」を既定にする——床上まで水が来た形跡がある家では、漏電・感電のおそれがあります。分電盤(ブレーカー)を切ってよいのは、分電盤も、そこへ行く通り道も乾いていて、安全に手が届く場合だけです。**濡れた床を渡らないと分電盤に近づけない、分電盤自体が濡れている、判断がつかない——このいずれかに当てはまるときは、中に入らず電気設備に触れないでください。**安全な場所まで離れてから、電力会社または電気工事店に連絡し、指示を待ちます
- 足元を見る——濡れた畳や床板は沈むことがあります。水を含んだ紙や布で滑ることも
- においを確かめる——ガスのにおいがしたら、火気とスイッチ類に触れずに(換気扇・照明・電気のスイッチは入切とも操作しない)、そのまま屋外へ出てください。建物から離れた安全な場所まで移動してから、ガス事業者の緊急連絡先へ連絡し、指示を待ちます。換気のためだけに中へ戻らないでください——窓を開けに戻ることが危険な場合があります。戸締まりや換気をどうするかは、現場を確認した事業者の指示に従ってください
- 暗いとき・雨の中は入らない——見落としが増えます。明るい時間に出直すほうが結果的に早く済みます
2. 建物(写真を撮りながら)
屋根材や雨どいのずれ、窓ガラスの割れ、天井や壁のシミ、床下の浸水跡を、片付ける前に写真に残します。撮っておく理由は2つあります。修繕や保険の相談をするときに状況を説明しやすくなること、そして罹災証明書の申請で被害の状況を求められる場合があることです。
ただし、罹災証明書の要否・申請の手順・必要な書類は、市町や災害の規模によって異なります。片付けてしまってからでは撮り直せないので、迷ったらまず写真を撮り、そのうえで空き家のある市町の窓口にご確認ください。修繕そのものと保険金の請求は、工務店・保険会社の領域になります。
3. 家財
ここでようやく中の物です。どこまで水が来たか(壁の水位の跡)、雨漏りがどの部屋まで届いているか、押入れやクローゼットの奥は濡れていないかを見ます。あわせて、何の水で濡れたか——屋根や窓からの雨水なのか、河川や下水があふれた浸水なのか——も見ておきます。後者は次の章で扱いが変わります。濡れていない部屋の物まで慌てて動かす必要はありません。
濡れた家財は「カビが出る前」に動かす
紙・布・木でできた物は、濡れたまま置くとカビが出ます。気温や湿度によりますが、夏場であれば数日で表面に出てくることもあります。カビが広がると、買取の対象から外れるだけでなく、その部屋の他の物にも移ります。
とはいえ、一人で全部をいっぺんには動かせません。次の順番で手をつけてください。
1. 安全を確かめてから入る
前の章のとおりです。ここを飛ばして物から手をつけないでください。
2. 貴重品・書類を先に出す
通帳、権利書、保険証券、実印、遺言書やエンディングノート。濡れていた場合は、乾かす前にその状態を写真に撮ります。雨漏りや雨水で濡れたのであれば、そのあと風の通る場所で平らに広げて乾かします(重ねたまま放置すると貼り付いて開けなくなります)。河川の水・下水・泥水など、何の水か分からない浸水で濡れた書類は、写真を撮ったら乾かす作業に進まず、厚手の手袋とマスクを着け、濡れていない部屋へ持ち込まないまま、乾かしてよいかを空き家のある市町の案内や災害復旧の専門業者に確認します。通帳や保険証券は、発行元に再発行を相談できる場合があります。
3. 濡れると戻らない物を次に
写真・アルバム、手紙、書画、掛け軸、着物、和紙の物。この種の物は、乾いたあとの状態で判断が分かれるので、雨漏りや雨水で濡れた物なら、まず濡れていない部屋や風の通る日陰へ移し、窓を開けて自然の風を通すだけでも違います(雨や強風の日は、濡れていない部屋へ移すところまでにとどめます)。
**河川の水・下水・泥水など、何の水か分からない浸水で濡れた物は、手順2・3の「移して乾かす」を当てはめないでください。**汚れた水を吸った紙・布・木の物には病原体やカビが付いていることがあり、濡れていない部屋へ運び込んで乾かすと、その部屋の物や、扱う人にまで広げてしまいます。この場合は、濡れていない部屋へ持ち込まず、出発前に用意した厚手の手袋とマスクを着け、素手で触らないようにしたうえで、空き家のある市町の災害廃棄物・衛生の案内や、災害復旧を扱う専門業者に、乾かしてよいか・処分に回すかを確認してから動かします。記録が要る物(次の5で触れる相続財産など)は、動かさずにその場で写真を撮っておけば足ります。
**扇風機など電気を使う送風は、その家のコンセントを使わない電池式の物か、電力会社・電気工事店の点検で電気設備の安全が確認された後に限ってください。**水が入った家の配線やコンセントは、乾いて見えても漏電のおそれがあり、差し込むこと自体が危険です(前の章の「電気は触らない」と同じ理由です)。直射日光で急に乾かす、ドライヤーの熱風を当てるといった方法は、縮みや変色の原因になるので避けてください。アルバムは、ページが貼り付いているなら無理に剥がさず、そのまま風の通る場所に置きます。
着物や掛け軸の見方は、遺品の着物・和装小物は買取できる?枚数と状態の見方と古い茶道具・掛け軸に価値はある?にまとめています。**シミやカビが出ていても、ご自身で拭き取らずにそのままお見せください。**手を入れると、かえって判断が難しくなることがあります。
4. 電気製品は通電しない
水に浸かった、あるいは雨がかかった電気製品は、外から乾いて見えても内部に水が残っていることがあります。電源を入れると故障や発火につながるおそれがあるので、確認のためであっても通電しないでください。
査定の場面でも同じです。「動くかどうか確かめてから」と思われる方が多いのですが、通電前の状態のままお見せいただくほうが安全で、こちらでも状態を判断できます。
5. 相続財産にあたる物は、記録してから動かす
空き家が相続の手続き中で、家財が相続財産にあたる場合があります。傷むのを防ぐために乾いた場所へ移すこと自体は、状態を保つための行為ですが、移す前の状態と移した先を写真とメモに残し、他の相続人の方に共有しながら進めてください。
一方で、**売る・捨てるは別です。**相続人全員の同意を得てから進めてください。相続放棄を検討している方がいる場合は、同意があっても先に進めず、専門家に相談して相続の方針が決まるまで売却も廃棄も見合わせてください——遺品を売る・捨てるといった処分の行為が、相続放棄に影響する場合があります。考え方は遺産分割の前に、実家の物をどう扱う?にまとめています。
「濡れた=全部だめ」ではありません
片付けの現場でもったいないと感じるのは、水がかかったというだけで、まとめて処分の山に回されている物です。素材によって水への強さは大きく違います。
- 水に弱い: 紙(写真・書画・本)、布(着物・衣類)、木製品、革製品、精密機器。乾き方と時間で状態が分かれます
- 比較的強い: 陶磁器、ガラス、石の物。泥は付きますが、洗わずそのままお見せいただければ確認できます(河川・下水の水の泥は払わずに、清掃の方法を市町や専門業者に確認してから)
- 錆びやすい・急ぐ: 金属の工具、刈払機や耕運機などの農機具、エンジンや電気部品のある機械。見た目が乾いても、エンジンや軸受け、燃料の系統、電気部品に水や泥が入っていることがあり、錆は乾く前から進みます。エンジンをかけない・通電しない・水で洗わないまま、早めに購入先の販売店や修理業者など専門の業者にご相談ください
- 状態次第: 家具。無垢材か合板かで水の影響が変わり、脚だけ水に浸かった物と全体が水没した物ではまったく違います
**ご自身で洗う・磨く・分解するのは避けてください。**河川・下水の水に浸かった紙・布・木の物は、乾かす作業そのものを市町の案内や専門業者に確認してからにし、それまでは濡れていない部屋へ持ち込みません。雨水の泥であれば、陶磁器や石の物の泥は乾いてから払う程度にとどめ、そのままの状態で見せていただくほうが、確認できる情報が多く残ります。河川・下水の水に浸かった物の泥は、材質を問わず、乾かして払わないでください——乾いた泥を払うと、汚れを含んだ粉じんが舞って吸い込んだり広げたりするおそれがあります。この場合は洗う・払うのどちらも自分では行わず、空き家のある市町の衛生の案内や専門業者に、清掃や消毒の方法を確認してからにします。錆びやすい金属の物や機械は、乾くのを待たずに、上のとおり早めに専門の業者へご相談ください。
なお、これはあくまで目安です。当てはまるから買取できる、値が付くという意味ではありません。状態によっては、査定が難しい物・お引き受けできない物もあります。
📷 【泥が付いたまま、乾かす前で大丈夫です】 部屋全体の1枚と、気になる物の1枚を。洗わず、動かさずの状態で構いません。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
災害のあとは、ごみの出し方が平時と変わることがあります
ここが平時の片付けと大きく違う点です。災害のあと、市町が災害廃棄物の仮置場を開設したり、通常とは別の分別・受付期間を設けたりすることがあります。対象になる災害の範囲、罹災証明書が要るかどうか、受付の期間は、市町ごと・災害ごとに異なります。
したがって、平時のごみ出しルールのつもりで出すと、受け取ってもらえない場合があります。出す前に、空き家のある市町の案内を確認してください(お住まいの市町ではなく、ごみが出た場所の市町のルールになります)。
処分が必要な物については、空き家のある市町のルールに沿った排出方法や、その市町の許可・委託を受けた業者への依頼をご案内します(いま住んでいる市町ではなく、ごみが出た場所の市町のルールになります)。カタクルが古物商許可のみを根拠に、許可範囲外の家庭ごみや廃棄物を自社で収集・処分することはありません。
また、災害の後は「無料で片付けます」と声をかけて回り、あとから高額を請求するトラブルが報告されています。**その場で契約せず、いったん持ち帰って検討してください。**空き家は所有者が現地にいないぶん、こうした声がけの対象になりやすい状況です。
片付けと買取は分けて考えます
災害のあとの片付けでも、扱いは平時と同じです。
- 買取対象品は、古物商として査定し、買取します。濡れた物・泥が付いた物も、状態を見たうえでご案内します
- 処分が必要な物については、上に書いたとおり、空き家のある市町のルールに沿った排出方法や、その市町の許可・委託を受けた業者への依頼をご案内します
片付けのご依頼で買取できる物が見つかった場合は、買取額をその分、作業料金から差し引きます。費用の決まり方は空き家の片付け費用は何で決まる?に、作業全体の流れは滋賀の空き家・実家じまいの片付けにまとめています。滋賀県内の空き家について、まだ何も決まっていない段階のご相談も承っています。出張費・査定・キャンセルは無料です。
よくある質問
Q. 罹災証明書をもらう前に片付けを始めてよいですか?
市町や災害の規模によって扱いが異なるため、一律にはお答えできません。どの場合でも無駄にならないのは、片付ける前に被害の状況を写真に残しておくことです。撮っておけば、あとから申請が必要になっても状況を説明できます。そのうえで、空き家のある市町の窓口にご確認ください。
Q. 遠方で行けないうちにカビが出てしまいました。もう買取は難しいですか?
物によります。カビが出ていても、程度や素材によっては査定の対象になることがあります。**ご自身で拭き取ったり洗ったりせず、そのままの状態で写真を撮ってお送りください。**手を入れたあとでは、かえって状態の判断が難しくなる場合があります。
Q. 濡れた家具はすぐ処分したほうがいいですか?
急いで決めなくて大丈夫です。まずは水が引いた状態で写真を撮り、雨漏りや雨水で濡れた物なら風を通してください(河川・下水の水に浸かった場合は、厚手の手袋とマスクを着け、乾かしてよいかを市町の案内や専門業者に確認するまで、濡れていない部屋へは持ち込みません)。無垢材の家具は乾かして使える場合がありますし、脚だけが浸かった物と全体が水没した物では扱いが変わります。処分を決める前に一度ご相談ください。
Q. 台風のあと、すぐに片付けの日程を組めますか?
災害の直後は道路事情や地域の状況によって、ご希望の日程に沿えないことがあります。まずは写真をお送りいただければ、状況の確認と、急いだほうがよい物の目安をお伝えできます。日程はそのうえで調整させてください。
気になったら、まず写真を1枚
台風や大雪のあと、離れた場所から空き家のことを心配する時間は長く感じられます。すぐに行けなくても、市町の発表を確かめ、装備を用意し、行ったときに見る順番を決めておくだけで、現地での動きが変わります。
そして着いたら、安全・建物・家財の順に。濡れた家財は、貴重品と書類、水に弱い物の順に、カビが出る前に風の通る場所へ(家のコンセントで扇風機を使うのは、点検で電気設備の安全が確認されてから。河川・下水の水に浸かった物は別扱いで、濡れていない部屋へ持ち込まず、防護具を着けて市町の案内や専門業者に確認してから)。錆びやすい金属の道具や農機具は、エンジンをかけず、乾くのを待たずに専門の業者へ。**乾かす前・洗う前の状態には、それだけ多くの情報が残っています。**判断に迷う物があれば、その状態のまま1枚撮ってお送りください。相続財産にあたる物は、傷みを防ぐために移すだけでも記録と共有を先に、手放すのは相続人全員の同意を得てから(相続放棄を検討している方がいる場合は専門家に相談して方針が決まってから)になりますが、写真での相談はその前でも進められます。
📷 【まずは部屋の1枚から】 空き家のある市町と、濡れた範囲が分かる写真をお送りください。急いだほうがよい物の目安と、片付けの進め方をご案内します。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
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