2026-09-26
遺品整理を自分でやる手順|進める順番と、業者に頼む場合との違い
「遺品整理を自分でやりたい」とお考えの方には、費用を抑えたい気持ちと、故人の物を他人に任せたくない気持ちの両方があります。結論から言うと、遺品整理の多くの部分は、ご家族だけでも進められます。実際、仕分けと貴重品の確保まではご自身で終えて、残りの搬出だけをご相談いただくことも珍しくありません。
ただし、始める前に確かめておきたいことが3つあります。期限のある手続き、相続財産にあたる品の扱い、そして片付ける家がある市町のごみのルールです。とくに、相続財産にあたる品を売る・手放す場合は、相続人全員の同意を得てから進めてください。相続放棄を検討している方がいる場合は、同意があっても先に進めず、専門家に相談して、相続の方針が決まるまで売却も処分も見合わせてください。
この記事では、自分で進めるときの6つの手順、つまずきやすい点、業者に頼む場合との違い、そして「どこまでを自分でやるか」の線引きをまとめます。始める時期そのものについては、遺品整理はいつから始める?四十九日前後の考え方と進める順番でくわしく説明しています。
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自分でやると決める前に、確認しておく3つのこと
① 期限のある手続きを先に把握する
遺品整理そのものに法律で決まった期限はありません。期限があるのは、片付けと並行して進む手続きのほうです。
- 相続放棄・限定承認 — 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ申述するものとされています。この期間(熟慮期間)内に相続放棄も限定承認もしなかった場合は、単純承認をしたものとみなされます
- 相続税の申告 — 申告が必要な場合、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うものとされています
- 賃貸住宅の退去 — 契約で決めた解約日までに部屋を空ける必要があり、それまで家賃も発生し続けます
自力で進めるかどうかは、この期限から逆算して決めるのが現実的です。「3か月後に退去」と「期限なし」では、同じ物量でも取れる進め方が変わります。
② 相続財産にあたる品は、動かす前に方針を決める
相続財産にあたる物を処分すると、相続を承認したものとみなされる場合があります。売る・手放すに進むのは、相続人全員の同意を得てからにしてください。相続放棄を検討している方がいる場合は、同意があっても先に進めず、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、相続の方針が決まるまで売却も廃棄も見合わせてください。個別の事情で判断が変わる部分ですので、迷ったら動かす前に専門家へご相談ください。
写真を撮る、どこに何があるかを書き出す、相続人で共有する——ここまでは物を手放さない作業なので、方針が決まる前でも進められます。
③ ごみのルールは「片付ける家がある市町」のもの
分別区分、粗大ごみの出し方、処理施設へ持ち込めるかどうかは、市町ごとに違います。滋賀県内でも同じではありません。持ち込みができる施設でも、事前の予約が要ることがあります(大津市の処理施設は事前予約制で、予約がないと搬入できません。受付時間も平日と土曜で異なります)。
遠方にお住まいの方がとくに間違えやすいのがここです。確認するのは、いまお住まいの市町ではなく、片付ける家がある市町の案内になります。帰省の日程を決める前に、その市町のごみの受付日・受付時間を調べておくと、往復が一度で済みます。遠方からの進め方は遠方から滋賀の実家じまい:帰省前の準備と進め方にまとめています。
遺品整理を自分でやる手順:6ステップ
- 期限を確認する — 相続放棄・相続税・賃貸の退去日など、締切のあるものを先に把握します
- 貴重品と書類を確保する — 通帳、印鑑、権利書、保険証券、遺言書やエンディングノートを、他の物と分けて保管します。現金が封筒や本の間から出てくることは本当に多いので、紙物をまとめて袋に入れないでください
- 相続の方針を相続人で共有する — 貴金属・骨董品など相続財産にあたりそうな品は、話し合いがつくまで動かさずにおきます。売る・手放すに進むのは、相続人全員の同意を得てからです。相続放棄を検討している方がいる場合は、専門家に相談し、相続の方針が決まるまで売却も廃棄も見合わせてください。形見分けの時期とマナーは形見分けのマナーと進め方を参考にしてください
- 部屋ごとに「残す・査定・処分」へ分ける — 家全体を見渡すと手が止まるので、1部屋、もっと言えば1つの棚から始めます。迷った物は処分側ではなく査定側へ。値が付きやすい物は遺品の買取で売れる物は?査定現場でよく値が付く10品目で紹介しています
- 処分が必要な物を、その家がある市町のルールで出す — 分別して指定の日に出すか、受け入れ条件を確認したうえで処理施設へ持ち込みます。量が多い場合は、その市町の許可・委託を受けた業者への依頼も選択肢です
- 大型品と家電を片付ける — 最後に残るのがここです。家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は通常のごみ収集では扱われません。詳しくは次章で説明します
1と2と3を先に済ませておけば、4以降は日を分けて少しずつ進められます。最初の一歩をもう少し細かく知りたい方は実家の片付けは何から始める?最初の3ステップもあわせてどうぞ。
自力で進めるとき、つまずきやすい5つのこと
量と時間の読み違い
「週末2日で終わるつもりが、押し入れ1つで1日が終わった」というのは、よく聞くお話です。押し入れ、天袋、納屋、仏間の引き出し——収納の中身は外から見えないので、着手前の見積もりは実際より少なくなりがちです。予定を立てるときは、最初の1部屋にかかった時間を測って、そこから全体を引き伸ばして考えると現実に近づきます。
大型家具の搬出とけが
たんす、食器棚、ベッド、仏壇。これらは重さよりも、階段・曲がり角・ドア幅で詰まります。持ち上がっても、途中で下ろせない体勢になると危険です。
安全のために、大型品は一人で動かさないでください。二人以上いる場合でも、階段や段差を含む経路、持ち手のない重い物、自分の体力に不安がある物は、無理をせず中断してご相談ください。搬出を途中でやめる判断は、けがや家の傷つきを防ぐうえで有効です。
家電4品目は通常のごみ収集では扱われない
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法に基づいて家電小売店などが引き取り、メーカーがリサイクルする仕組みになっています。処分にはリサイクル料金と収集運搬料金がかかります。
買い替えるなら新しい製品を買う小売店へ、買い替えないなら、その品を購入した小売店が分かる場合はその店へ引き取りを依頼します。購入店が分からない場合は、家がある市町にご相談ください。パソコンや消火器のように、家庭ごみとは別の回収ルートがある品もあります。
処理施設への持ち込みには条件がある
自分で運べば手数料だけで済む、とは限りません。予約が必要か、一度に持ち込める量や点数に上限があるか、受け付けている品目は何か——条件は市町ごとに違います。車に積んでから断られると、その分が丸ごと無駄足になります。積み込む前に、その市町の案内で受入条件を確認してください。
親族間の行き違い
一人で黙々と進めると、後から「あれはどこへ行ったのか」という話になりがちです。手放した物は、写真を1枚だけ残しておくと説明がつきます。費用と手間を分担する形を先に決めておくのも、後のもめごとを減らす方法の一つです。
📷 【途中で止まった物だけでも大丈夫です】 「売れる物か、処分する物か」が分からずに残っている品があれば、その1枚を送ってください。相続の方針が決まるまで動かせない品も、写真の相談なら現物を動かさずに済みます。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
業者に頼む場合との違い
自分でやる場合と業者に頼む場合で、実際に変わるのは次の点です。
- 時間と人手 — 自力では日数がかかる作業を、人数と車両で圧縮できます。退去期限が迫っているときの差が大きい部分です
- 搬出の可否 — 階段や狭い経路のある家では、養生と分解の道具、そして経験のある人手があるかどうかで結果が変わります
- 処分の扱い — 家庭から出る廃棄物を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要とされています。古物商の許可では回収できません。依頼先がどの立場で何をするのかは、依頼前に確認してください
- 買取の有無 — 古物商であれば、処分に回る前の品を査定できます。買取と処分が分かれることで、負担の見え方が変わります
- 立ち会いの負担 — 県外にお住まいの場合、現地に来ていただく回数が減ることそのものが差になります
カタクルの立ち位置も、はっきりさせておきます。
- 買取対象品は、古物商として査定し、買取します
- 処分が必要な家庭の不用品については、片付ける家がある市町のルールに沿った排出方法や、その市町の許可・委託を受けた業者への依頼をご案内します(いまお住まいの市町ではなく、ごみが出る家の市町のルールになります)。カタクルが古物商許可のみを根拠に、許可範囲外の家庭ごみを自社で収集・処分することはありません
無許可の回収業者には注意してください。「無料回収」をうたって積み込んだ後で高額請求するトラブルが各地で報告されています。遺品整理のご依頼で買取できる物が見つかった場合は、買取額をその分、作業料金から差し引きます。作業全体の流れと料金の考え方は滋賀の遺品整理|料金と流れに、費用の決まり方は家じまいの片付け費用を抑える方法にまとめています。
全部を任せなくてもいい:線引きの考え方
自分でやるか業者に頼むかは、0か100かではありません。現場でうまく進んでいるご家族は、だいたい次のように分けています。
- 自分でやる — 貴重品と書類の確保、写真やアルバムの選別、形見分けの品の取り置き、小物の仕分け。気持ちの整理を伴う作業と、判断が要る作業
- 頼む — 大型家具の搬出、人手の要る運び出し、処分が必要な物の相談先の整理、値が付きそうな品の査定
つまり、判断は家族が持ち、力仕事と手続きを外に出すという分け方です。途中まで自分で進めてから、残った分だけ相談する形でも構いません。仕分けの段階で写真を撮っておくと、相談のときの説明が早くなります。
よくある質問
Q. 遺品整理を自分でやれば、費用はかかりませんか?
かからないわけではありません。ごみの処理手数料、運搬のための車やガソリン、梱包の資材、遠方であれば往復の交通費と宿泊費がかかります。加えて、休みの日数という形の負担もあります。自力のほうが安く済む場合もありますが、物量と搬出の難しさによっては、そうならないこともあります。
Q. 家族だけで進めても大丈夫ですか?
相続財産にあたる品を売る・手放す場合は、相続人全員の同意を得てから進めてください。相続放棄を検討している方がいる場合は、同意があっても先に進めず、専門家に相談して、相続の方針が決まるまで売却も処分も見合わせてください。写真の整理や掃除のように、相続財産の処分にあたらないと確認できる作業に限り、先に進めていただけます。
Q. エアコンやテレビ、冷蔵庫は粗大ごみに出せますか?
家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は、家電リサイクル法に基づく引き取りの対象で、通常のごみ収集では扱われません。買い替え時は購入する小売店へ、購入した店が分かる場合はその店へ引き取りを依頼します。分からない場合は、家がある市町にご相談ください。リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。
Q. 途中まで自分でやって、残りだけ頼めますか?
できます。大型家具の搬出だけ、査定だけ、というご相談も承っています。どこまで進んだかと、残っている物の写真があれば、そこからの段取りをご案内します。
Q. 出張買取の場合、クーリング・オフはありますか?
ご自宅にお伺いして買取する取引など、特定商取引法の訪問購入に該当する場合は、法定書面を受け取った日から8日以内であれば、契約を解除できる場合があります。一方で、品目や取引内容によっては訪問購入の規定が適用されない場合もあります。対象となる取引では、必要な書面をお渡しし、クーリング・オフや品物の引渡しに関するルールをご説明します。
自分でやると決めた日から、順番だけ間違えないように
遺品整理は、ご家族だけでも進められます。大事なのは、順番を間違えないことです。期限のある手続きを先に確認し、貴重品と書類を確保し、相続財産にあたる品の扱いを相続人全員の同意を得てから決める。相続放棄を検討している方がいる場合は、同意があっても先に進めず、専門家に相談して、相続の方針が決まるまで売却も処分も見合わせる。ここさえ守れば、あとは無理のないペースで構いません。
そして、価値の分からない物を処分してしまうことだけは、後から取り返しがつきません。判断に迷った品は、手放す前に写真を1枚。
📷 【迷った品は、手放す前に1枚】 気になる品を1枚送っていただければ、値が付きそうかの目安をお伝えします。相続人の方と確認してからにしたい品も、写真の相談なら物を動かさずに進められます。 写真でのご案内は概算です。正式な査定金額は、現物を対面で確認してからお伝えします。 → LINEで写真を送る
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